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玉田圭司はなぜ名古屋退団に至ったのか? ~今期の玉田とグランパスの未来~

 

2018シーズン、前半戦折り返し時点で勝ち点たったの9という憂れき目にあいつつも、奇跡のV字回復によるJ1残留という結果に貢献した一人の選手がいる。

…そう、皆さんご存知、玉田圭司この男だ。

さて、まずは今期の玉田のスタッツ、起用法について見ていこう。 
今期の玉田のJ1出場試合数は24。そのうち先発が19、途中出場5、出場時間としては1853分に換算される。シーズン序盤は怪我の影響もあり出場機会に恵まれなかったが、第15節柏戦以降ほとんどの試合に先発で出場。ポジションとしては左SHを主戦場としつつ、中盤の幅広い位置を担った。今シーズン後半のグランパスの復活において、この男は欠かせなったといっても過言ではないだろう。 
スコアポイントとしては今期3G1A。現在J1通算ゴール数が99Gということもあり、3桁の大台に乗せるためにもあと少し伸ばしてほしかったという思いもあるが、今期の玉田の良さはスコアだけでは語れない。

  

玉田圭司、ベテランの進化

今期の玉田が特筆に値する点といえば、”よく走る”ということだろう。38歳ベテランが本当によく走るのか?運動量は落ち始めていないのか?と思うかもしれない。確かに、今期の玉田は先発しても後半途中で交代することがほとんど。年齢的にも体力は落ち始めているだろう。
しかし、玉田は走る。あらゆる攻撃のシーンに顔を出し、高いキープ力や持ち前の攻撃のセンスを活かし攻撃のリズムを作る。それだけではない。SBを務める金井や和泉が上がってくる際に生まれてしまうスペース。これを要所要所でしっかりと埋め、守備にも奔走する。今期の玉田は、チームの潤滑油ともいえる働きを見せていた。
玉田はもとよりドリブルを得意としたFWを主戦場としていた選手。ここまで守備にも献身的に奔走する玉田が見られるとは、、、。

 

しかし…

玉田圭司、退団。

 

まさかの来季構想外。この結果には玉田本人も納得していないようで、、、
公式のメッセージには前向きな文章を綴っていた玉田だが、自身のInstagramにはこのような投稿が。

 

www.instagram.com

 

 "労いの言葉もなく、ショックだった”

おそらく、こちらが玉田の本音といって間違いないだろう。本人としても今期の活躍に手ごたえはあっただろうし、契約を更新し来期も名古屋でプレーすることを視野に入れていたのではないだろうか。
玉田は4年前にも一度、今回同様名古屋をクビになっている。にもかかわらず、名古屋が崩壊しJ2に降格した2年前に駆け付けてくれた選手だ。2017、18シーズン共に十分な結果を残しており、サポーターからの信頼も厚い。そんな玉田が、なぜこのような形での退団に至ったのか?

 

名古屋グランパスの未来

 理由は簡単だ。”選手の若返り”この一点に尽きる。既に玉田は38歳。まだまだJ1でも通用するパフォーマンスを残しているとはいえ、先の長い選手ではない。それに加え、今期の起用方法としても後半途中交代前提の形。同ポジションでプレーできる選手としても、青木亮太や相馬勇紀など、若く将来有望な選手が揃っている。玉田を今季限りで切ることが正しいというつもりはないが、玉田が構想外になることが全く分からないというわけでもない。
玉田の他にも現時点で名古屋は佐藤(36)、八反田(28)の退団が決定。楢崎(42)も退団濃厚。獲得情報はまだ多くはあがっていないが、今後より若いチームになっていくことが予想される。

 

とはいえドライすぎやしませんか?

とはいえ。とはいえですよ。玉田を今期で切るとしても、玉田にこのような思いを持たせることなく別れを告げることはできなかったのだろうか?いやできたはずである。どのような会話があったか明確には分からないが、あまりに愛のない寂しい別れ方である。
思えば去年の昨年の田口の流出、一昨年の闘莉王まわりの騒動からも、名古屋のフロントには少々ドライすぎる点が見える。もちろんプロクラブを運営している以上、時には、非情になることも必要なのだが、、、。
動員、人気ともに伸びている今だからこそ、名古屋はサポーター、選手の心をつかんで離さないフロント力を養うべきではないだろうか。